

ゴール設定は心からやりたいこと=want toでと言うけど、
「心からやりたい仕事」なんて思い浮かばないよ!
初めてゴール設定をする人のあるあるですが、年収1,000万円などの安易な収入にフォーカスした発想になりがちです。しかし、年収はあくまでコンフォートゾーンであり、仕事・職業のゴールではありません。
この記事は、仕事(職業)のゴール設定ができずに悩んでいる人向けに、want toな仕事のゴールを見つけるための方法をお伝えしています。
仕事のゴール設定が出来ない人はまず「趣味のゴール設定」から
結論からいうと、ゴール設定は最初に「趣味のゴール」から設定することを強くお勧めします。そうすることで、仕事や社会貢献、生涯学習、人間関係など、他の分野のゴールにおいても「want toなゴール設定」ができるようになるからです。実際のコーチングセッションにおいても、クライアントさんに一番初めにやってもらっています。
ゴール設定のルールおさらい
あらためてゴール設定のルールをおさらいすると、以下のルールがあります。
1.心からやりたいこと=want toな内容であること
2.現状の外側に設定すること
3.バランスをとること
1の「心からやりたいこと=want to」が分からなかったり、want toだと思い込んでゴール設定してしまうと、いくら現状の外側に設定しても、それはhave toなゴールなので、エネルギーが全く沸いてこないはずです。
want toであることはゴール設定の核となるため、これを手抜きすると全てが無駄になってしまいます。だから、want toなゴールは何かを知るために趣味のゴール設定をするわけです。
それでも、「そんなこと言ったって稼げなければ生活できない」「お金がのゴールが一番大事じゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、それは経済的成功こそが幸福の証という資本主義経済に洗脳されていると言わざるを得ません。
なぜ趣味のゴールを設定すると職業や他のゴールも見えてくるのか
では、趣味のゴール設定がなぜそんなに重要なのか?なぜ趣味のゴールを設定することで、仕事のwant toまで見えてくるのでしょうか。それは、趣味というものは100%自分のためでしかなく、want to以外あり得ないからです。趣味について考えるとき「want toである」ことが最も体感しやすいことを理解していただけると思います。
好きでもないのにやっているhave toな趣味なんて定義的にあり得ませんよね。
実は、趣味と仕事はかなり似ており境界線があいまいで、苫米地博士によると、趣味と職業はこう定義されています。
趣味:want toで自分にしか役に立たないもの
仕事:want toで他人や社会の役に立つもの
仕事のゴール設定をいきなりやると「稼げるかどうか」「それを仕事にして良いのか」といった固定観念に囚われて、初心者の方はwant toなゴールがなかなか浮かびませんが、趣味のゴール設定でまず自分のwant toを確認した後は、仕事や社会貢献など、他のジャンルのゴール設定でも「want toなゴール」をイメージしやすくなるはずです。
趣味のゴール設定から仕事のゴールを設定する手順
実際に、趣味のゴールを現状の外側に設定してみましょう。「want toってこういうことか!」と体感できるかと思います。重要なのは、「趣味」と「世間で職業とされていること」を区別しないことです。また、「趣味のゴールは他者からの評価は全く関係ない」ということも意識してwant toな気持ち100%で設定してみてください。
1.want toな趣味をリストアップ
例えばピアノが趣味だという人は、プロ並みに上手くないとゴールとしてはNGだと誤解しがちですが、別に「プロのピアニストになる」でなくても、単に「スタンウェイのピアノを弾いてみる」でもOKということです。
重要なのは、「好きでやっているその趣味」のどんな瞬間が楽しい・嬉しいか?という点に注目することです。少なくとも「弾くこと」は間違いなく楽しいわけですが、もう少し抽象度を上げていきましょう。
2.抽象度を上げ「なぜ好きか」を深堀りする
例えば、誰に披露するわけでもなく「難しい曲を演奏できた達成感」に喜びを感じるのか、「誰かに演奏を聴いてもらうこと」が重要なのか、または、「鍵盤を叩く行為そのものが好き」なのか、そこには何かしらのwant toな要素が存在していると思います。
3.現状の外側へ広げてみる
趣味のゴールを現状の外側に設定するとなると、「自分には絶対に弾けそうにないと思っていた曲を演奏する」かもしれませんし、「1,000人くらいの聴衆の前で演奏をする」かもしれません。
または、自分が弾かなくても、「ただピアノが流れる環境に身を置くことが好き」というwant toを発見した場合、「ピアノ演奏を提供するBARを開く」というゴールが生まれるかもしれません。そうするとこれは、自分だけではなく「他者の役にも立っている」ため、仕事のゴールとなります。
4.趣味のゴール設定で生まれた未来の登場人物をイメージ
このように、趣味のwant toなゴール世界をイメージしてみると、当然ですがそこにはメリットを受け取る「受益者」の存在があります。シンプルにいえば「あなたのwant toな営みによって他に喜んでいる人」の存在です。
その人たちは、未来のお客さんであり、仕事上の関係者かもしれません。
5.want toな視点から改めてwant toの仕事をイメージ
繰り返しますが、コーチングにおいて仕事とは「自分の好きなこと・他人も喜ぶこと」が定義となります。
1~4の手順で膨らませたイメージの中で、自分の好きなこと・他人も喜ぶことがある程度浮かんできたかと思います。もし浮かばないという人は、この「仕事」の定義をイメージしてみて再度やってみてください。
今回はたまたま「ピアノが趣味」の人を例に挙げてみました。
他にも、
「ただ外食するくらいしか人生の楽しみがない」という人が、want toを深堀りした結果、
・人と食べるのが好き
・自分が勧めた料理や店に人が美味しそうに食べている姿を見るのが好き
↓
「子ども食堂を開き、毎日子どもたちに囲まれて楽しく食事をする」
という、現状の外側のゴール設定が出来た例もあります。
これは、収益や寄付が発生すれば職業のゴールとなり、収益性がなくても趣味のゴールとなります。
このように、趣味と仕事は非常にあいまいなものであることを理解すると、want toな仕事がどんなものか、イメージしやすくなります。