
ゴール設定は現状の外側に設定することが大原則ですが、多くの人が現状の内側だったり、自分のwant toでもないのに、苫米地博士や認定コーチ達の影響を受けて無理して「世界平和」などをゴールとして掲げていたりします。
確かに「世界平和」というゴールは壮大であり、現状の外側ではありますが、必ずしも自分にとってのwant toでなければゴールへ向かうエネルギーが生まれません。
では、どうしたら、want toであり現状の外側のゴールを設定できるのでしょうか?
現状の外側のゴールはスコトーマで見えない?
まず、現状の外側のゴールというのは、「スコトーマで見えないもの」と苫米地博士は言っています。ということは、「現状の外側にゴール設定をするなんて不可能じゃないか?」という矛盾を感じる人もいるでしょう。私もそうでした。この矛盾を解消するには、ゴールを設定する過程にヒントがあります。
ここでは、ゴールを現状の外側に設定する具体的なステップを解説していきます。
1.現状の内側のゴールでいいのでまず仮設定する

誰でも、現状の内側にゴール設定することは簡単にできるはずです。思いつくままに設定すればOKです。その後、現状の内側に設定したゴールを、外側に設定しなおす作業が必要となります。
以下に例を挙げます。
例:収入を10%増やす(現状の内側)
よくあるゴール設定ミスあるあるですね。すでにある仕事やビジネスを継続し、「来年の収入を10%増やす」という目標です。これは、現在の環境を維持しながら、少しの改善や調整で達成できる目標であり、大きな変化や新しい挑戦を必要としません。苫米地式コーチングを学んでいる人は「これが現状の内側だなんて分かっているよ」と思うかもしれませんが、重要なので挙げました。
例:ヨガの上級クラスへ参加する(現状の内側)
「これまで続けてきたヨガのレッスンで、少し上級者向けのクラスに参加する」というのも、現状の内側です。 こちらも当たり前ですが、既に趣味として取り組んでいることの延長線上にあり、特に新しいチャレンジや分野の開拓は含まれていません。
例:残業を減らす(現状の内側)
現在就いている仕事で、効率よく仕事をこなして「残業を減らす」というゴールですが、こちらも現状の内側どころか、ゴールとすら言えません。ただの効率化ですね。業務の範囲内での改善を目指すものであり、仕事/職業のゴールだとしたら、キャリアの大きな変革は伴わないため、現状の内側となります。
例:趣味のギターがもっと上手くなる(現状の内側)
趣味として嗜んでいるギターの演奏を、もっと高いレベルにするというゴールですね。こちらも、「上手くなる」がどの程度のものなのか、そもそも上手いとはどういう状態を指すのかが明確でない以上、何とも言えませんが、そうとう頑張らないと難しいと思っているのであれば、それは裏を返せば「頑張れば達成可能」なゴールとなり、これも現状の内側のゴールとなります。
現状の外側へと昇華するための説明材料として良い例なので、この「ギターがもっと上手くなる」という現状の内側のゴールを例に、次のステップで解説していきますね。
2.want toのなぜ?を深掘り

まずは「趣味のギターがもっと上手くなる」という現状の内側のゴールを仮に設定しました。
ここから、このゴールに秘められているかもしれないwant toを深堀りしていきます。要するに、好きなものの、好きな理由を追究していくという作業です。
なぜ、ギターが好きか?
なぜ、上手くなりたいのか?
色々あると思います。
そもそもギター演奏を聴くことが好きなら、リスナーとしてマニアになっているかもしれないし、上達することが好きなら、今でも新しいフレーズに挑戦している時間が好きなのかもしれません。
また、過去にライヴで演奏して人気者になったことが忘れられない、など色々あるかと思います。
とにかく、仮に設定した現状の内側のゴールに秘められた「want to」を深堀りしてみてください。
3.want toを元に現状の内側のゴールを「外側」へ広げる

先ほどのステップで、want toを深掘りし、何となく「なぜそれが好きか」がある程度分かってきたかと思います。
このwant toを拡大することで、現状の外側のゴールが見えてきます。
want to 1: バンド活動をしたい
バンド活動が楽しいというwant toから発展できそうな現状の外側のゴールは、ただバンドを組むだけではなく、より大きな視点でバンド活動を展開するものです。
現状の外側のゴールの例:
「自分のバンドでオリジナル曲を作り、世界中のファンに向けて音楽を発信し、ライブツアーを行う」
これは単なるアマチュアバンド活動を超え、プロとして音楽を制作し、国際的な舞台で演奏するという挑戦です。自分たちの音楽を世界に広げるというビジョンが含まれ、紛れもなく現状の外側のゴールです。
want to 2: ギターを使った音楽を聴くことが好き
音楽そのものが好きでギターに対する愛情があるなら、それをより深めていく方向性も考えられます。
現状の外側のゴールの例:
「ギター音楽の研究者になり、伝統的なギター音楽から現代の音楽までを探求し、その成果を本や講義で伝える」
音楽を聴く楽しさをさらに深め、ただリスナーとしてではなく、専門家としてその知識や情熱を他者と共有するゴールです。教育や出版の分野でも活躍する可能性があります。
want to 3: 演奏を人に聴いてもらって、凄い!と言われたい
演奏やパフォーマンスに対する称賛や認められることへの欲求がある場合、その気持ちをより大きな舞台に持っていくことが「現状の外側」と言えます。
現状の外側のゴールの例:
「YouTubeやSNSでギターパフォーマンスを発信し、数百万人のフォロワーを持つインフルエンサーになり、世界中で支持を得る」
これは演奏を単に知人やライブの観客に聴いてもらうだけではなく、オンラインの力を活用して、グローバルな影響力を持つ「現状の外側のゴール」でしょう。
want to 4: 一人でもいいので演奏することが好き
自分自身が演奏そのものを楽しむことに喜びを感じるなら、それを発展させて、他者にどのように価値を提供できるかを考えることができます。
現状の外側のゴールの例:
「自分の演奏を使って、癒しやメンタルケアを提供する活動を行い、音楽療法士として人々の心を癒すプロジェクトを立ち上げる」
音楽療法士でなくてもよいですが、これは演奏することの個人的な喜びを、他者の役に立つ形で拡大し、社会貢献や新しいキャリアの可能性を生む「現状の外側」のゴールです。
want to 5: ギターという道具を自分の手で操作する感覚が好き
ギターを操るという感覚そのものに魅力を感じているなら、その感覚を使ってさらにクリエイティブな領域へ進むことが可能です。
現状の外側のゴールの例:
「ギター制作やカスタマイズに携わり、オリジナルのギターを作り出し、そのギターで新しい演奏スタイルを開発する」
ギターという道具への愛着をさらに深め、プレイヤーとしてだけでなく、制作者やクラフトマンとしての道を探求する「現状の外側のゴール」です。
want to 6: ライヴで演奏して人気者になった経験が忘れられない
過去の経験から得た満足感や成功体験をさらに発展させ、より大きな挑戦を目指すことができます。
現状の外側のゴールの例:
「自分のライブパフォーマンスを軸に、地域や国際的な音楽フェスに参加し、新しい音楽シーンを作り上げる」
自分の成功体験を単に再現するのではなく、その体験を基にして、他者にも価値を提供し、新たな音楽シーンを築くというビジョンです。
これらの「現状の外側のゴール」は、ギターに対する「want to」をさらに大きな挑戦へと昇華させ、現状の枠を超えた新しいステージに進む可能性を広げます。
現状の外側にゴール設定する具体例なステップのまとめ
- 現状の内側のゴールでいいのでまず仮設定する
- want toのなぜ?を深掘り
- want toを元に現状の内側のゴールを「外側」へ広げる
いかがでしょうか?
現状の内側のゴールでも、このようにwant toを深堀り・分解していくことで、意外なほど簡単に「現状の外側」のゴールが見えてきます。
このwant toを深堀りする過程で、「そうなったら嬉しいけど不安がある」と感じたら、それはあなたにとっての真の「現状の外側のゴール」を設定できたことになります。
ただ、これを一人でやっていると「まあ、達成できたら嬉しいけど…」と、ゴールを設定しそこねてしまいます。
この時、プロのコーチがそばにいれば、「いいね!あなたなら出来るよ!」と背中を押してもらうことができます。
つまり、とてつもなく強力にエフィカシーを上げてもらえる訳です。というより、それが本来のコーチの役目なので。。
これを読んで、現状の外側にゴールが設定できたかも?と思ったら、ぜひコーチである私に教えてください。バリバリにエフィカシーを上げちゃいます。